ニュースリリース - 2018年5月17日

シノプシス、ADASならびに自動運転車向けに業界初のASIL D対応エンベデッド・ビジョン・プロセッサを提供

AIベース車載SoCのISO 26262機能安全性認証にかかる期間を短縮するDesignWare EV6x Processors with Safety Enhancement Package

 

概要

  • 高い処理性能と最小限の消費電力/面積を維持しつつセーフティー・クリティカルなシステム向け機能を提供するハードウェアを統合したASIL B、C、D対応のDesignWare® EV6x Embedded Vision Processors with Safety Enhancement Package

  • AIアプリケーション向けソフトウェア開発にかかる期間を短縮する完全なツール・セットとランタイム・ライブラリを提供するASIL D対応のARC® MetaWare EV Development Toolkit for Safety

  • SoCレベルでの機能安全性評価の期間を短縮するため、FMEDAレポートやセーフティー・マニュアルといった安全性関連ドキュメントを包括的に提供

 

2018年5月17日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、車載向けSoCの開発期間を短縮するASIL(automotive safety integrity level) B、C、D対応のDesignWare EV6x Embedded Vision Processors with Safety Enhancement Package (SEP)の提供開始を発表した。EV6x Processors with SEPは、セーフティー・クリティカルなデザイン向けの他に類を見ないセーフティー機能を提供するハードウェア、セーフティー・モニター、ロックステップ機構を提供する。設計者は、既存のASIL非対応EV6xプロセッサが提供してきた高い性能/低消費電力/小面積といったメリットを犠牲にすることなく、機能安全ならびに故障カバレッジに関する最も厳格なISO 26262基準の達成が可能となる。スカラー/ベクターDSPと畳込みニューラル・ネットワーク(CNN)エンジンを統合したASIL対応EV6x Processors with SEPにより、ディープラーニング機能を搭載した車載システムの規格認証にかかる期間を短縮することができる。

 

また、ISO 26262準拠のソフトウェア開発を加速するため、ASIL D対応のDesignWare ARC MetaWare EV Development Toolkit for Safetyは、EV6x Processors with SEP向けのエンベデッド・ビジョン・アプリケーションならびにAIアプリケーションの開発に必要となるツール・セットやランタイム・ソフトウェア/ライブラリを提供する。ツール・セットは、C/C++やOpenCL™ Cなどのプログラミング言語やOpenVX™ならびにOpenCVなどのオープン・ビジョン・スタンダードを用いたソフトウェア開発を支援する。また、CaffeやTensorFlow™といった一般に用いられているフレームワークでトレーニングされたCNNグラフをEV 6xの各種プロセッシング・ユニットが最適に実行できるよう自動マッピングするためのツールも提供する。

 

EV6x Processorsは、非常に高精度かつ高速なビジョン・プロセッシングを実現するためにスカラー/ベクターDSPとCNNエンジンを搭載している。CNNエンジンとパラレルに動作するベクターDSPを最大4個まで搭載できるため、あらゆるビジョン・アルゴリズムとCNNグラフに対応できる高い拡張性を持っている。このベクターDSPには、IEEE 754準拠ベクター浮動小数点ユニットをオプションで組み込むことができ、単精度動作時で最大328 Gigaflop、半精度動作時で最大655 Gigaflopもの高い処理性能を提供できる。そしてSEPオプションのEV6x Processorsには、ロックステップ機構、ECCモニター、コアレジスタやセーフティー・クリティカル・レジスタのエラーチェック機能、専用セーフティー・モニター、各コアへのウィンドウ・ウォッチドッグ・タイマーといった最先端のセーフティー・メカニズムやセーフティー機能を提供するハードウェアも組み込まれている。セーフティー・アイランド機構もオプションで組み込むことができるため、SoC内部で安全性への脅威が高まっていないかどうかのモニタリングや診断を実行でき、システム起動を脅威から守ることができる。

 

グローバルなビジネス情報プロバイダ IHS Markit社の車載システム主席アナリスト Phil Amsrud氏は次のように語っている。「ディープラーニング機能の活用が進むにつれて、車載エレクトロニクス・システムにおいては、セーフティー・クリティカルなADASモジュールが最も成長著しい分野となっています。処理性能と消費電力の重要性も高まっているため、より高い性能と少ない消費電力を可能にしてくれる開発ソリューションは、ADASモジュール開発者にとって大きな関心事です」

 

シノプシス IPマーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「セーフティー・クリティカルなシステムの実現のためにビジョン・プロセッシングやAIを実装したADAS向けSoCの開発に着手するプロジェクトは、目覚しいスピードで増加しています。CNNや独自のセーフティー機能を統合したDesignWare EV6x Embedded Vision Processors with SEPと包括的なソフトウェア開発ツールの組み合わせは、開発対象の車載システムのISO 26262認証取得をより短期間で達成したいSoC開発者が必要とする全てのものをご提供します」

 

提供可能時期ならびに関連情報

ASIL B、C、D対応のDesignWare EV6x Embedded Vision Processors with Safety Enhancement Packageは、既に提供を開始している。オプション提供のベクター浮動小数点ユニットならびにセーフティー・アイランドも提供を開始している。DesignWare ARC MetaWare EV Development Toolkitも提供を開始している。DesignWare ARC MetaWare EV Development Toolkit for Safetyの提供は、2018年9月を予定している。

 

 

DesignWare IPについて

シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。

詳細情報はhttps://www.synopsys.com/designwareより入手可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

 

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その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

 

<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941