ニュースリリース - 2022年9月20日

シノプシス、チップ開発サイクルの全域に渡る検証ニーズに対応できる 業界初のエミュレーション/プロトタイピング統合システムを提供開始

ハードウェア検証のために高速化されたコンパイル能力が実現する柔軟な検証キャパシティ、ソフトウェア開発のための高速な実行性能を兼ね備えた統合ハードウェア・ソリューション

 

2022年9月20日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 –シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、シノプシスのエミュレーション・システム ZeBu® EP1をベースに開発した業界初のエミュレーション/プロトタイピング統合ハードウェア・システムを発表した。新次元の実行性能と柔軟性により、SoCのハードウェア検証と早期ソフトウェア開発を支援する。数十億ゲートのデザインを検証可能な業界最速のエミュレーション・システムであるZeBu EP1にプロトタイピング機能も追加されたことにより、開発者は、チップ開発ライフサイクルの全域に渡って、単一のハードウェア・ベース検証システムを活用することが可能となった。

 

シノプシス システム・デザイン・グループ R&D担当上級副社長 Rohit Voraは次のように述べている。「SoCのハードウェア構造やSoC上で稼働するソフトウェアは複雑化する一方であり、開発者の皆様は、ハードウェア検証とソフトウェア開発に課せられた目標を達成するために、より高速で大容量のエミュレーション/プロトタイピング・ソリューションを求めておられます。ZeBu EP1は、これまで以上に高速な実行性能とエミュレーション・コンパイル能力によって、エミュレーションとプロトタイピングの両方を単一システムでサポートできる画期的なハードウェア・ベース検証システムであり、業界にイノベーションをもたらします。業界を代表する開発企業各社様では、ZeBu EP1を活用して、クロック性能19 MHzもの高速エミュレーションそして100 MHzのプロトタイピングを実行されています。これによって、SoCシリコン完成前の段階で大規模なソフトウェアをエミュレータ上で試行し、開発プロジェクトの短期化を達成されました」

 

次世代エミュレーション/プロトタイピング統合システム ZeBu EP1の詳細は下記より入手可能である。

https://www.synopsys.com/verification/emulation/zebu-ep1.html

 

エミュレーション/プロトタイピング統合ソリューションのメリット

ハードウェア検証チームは、SoCハードウェア・デザインをより高速に検証するためにエミュレーション・システムを活用しており、ソフトウェア開発チームは、よりハイ・パフォーマンスなソフトウェア実行を可能にするプロトタイピング・テクノロジを必要としている。しかしながら、ハードウェアならびに(ソフトウェアを含めた)システムの開発者にとって、エミュレーションとプロトタイピングに必要なハードウェア・キャパシティの最適なバランスを前もって確定するのは非常に困難な作業となる。柔軟性の高いハードウェア・ベース検証システムである最新のZeBu EP1は、このジレンマを克服できるソリューションである。これにより開発チームは、柔軟性の低い従来のハードウェア・ベース検証システムの制約から解き放たれる。すなわち、SoCハードウェアの検証とハードウェアの上で稼働するソフトウェアの開発、それぞれのニーズに合わせてエミュレーションとプロトタイピングの双方に必要なキャパシティを自在に(いつ、どのようにも)切り替えることが可能となる。これまでのように、それぞれの作業に必要なリソースを早い段階で見積もっておく必要は無いのである。

 

この統合ハードウェア・システムは、高速な実行性能を提供するだけでなく、エミュレーション・フローの構築も容易で、デバッグ作業においても完全な可視性を提供する。ハードウェア検証チームとソフトウェア開発チームは、ZeBu EP1が提供するプロトタイピング・フローを用いて、実機インターフェイスを用いた検証を最高性能のパフォーマンスで実行することができる。シノプシスが新たに開発したコンパイル・テクノロジも、この統合ハードウェア・システムの強みとなっている。このコンパイル・テクノロジは、従来のテクノロジと比べてコンパイルにかかる期間を1/3に短縮する。

 

ZeBu EP1に搭載されているプロトコル・ソリューションにより、多岐に渡る接続オプションから最適なものを利用することができる。PCI Express®(PCIe®)5.0/6.0、USB 4、HBM3、Universal Chiplet Interconnect Express(UCIe)といった様々な最先端インターフェイス・プロトコルを用いて、非常に複雑なソフトウェア・スタックを実行することが可能となっている。主な機能は以下の通りである。

 

  • プロトコル・インターフェイス・カードによる高速接続機能
  • バーチャル・インターフェイス接続を可能にするバーチャル・テスターなどのトランザクタ
  • インサーキット・エミュレーションのためのスピード・アダプタ
  • 短期間でのIP統合、ソフトウェア開発、システム・バリデーションを可能にするIPプロトタイピング・キット

 

さらに、シノプシスの仮想プロトタイピング・ソリューションであるVirtualizer™との組み合わせにより、ソフトウェア開発者は、想定するハードウェアとして仮想プロトタイプを活用し、プロジェクトの早期段階からソフトウェア開発に着手することができ、エミュレーション/プロトタイピング統合システムを用いて実機ベースのソフトウェア・テストを実行できる。

 

業界を代表する開発企業各社のコメント

Arm社 デザインサービス担当シニア・ディレクター Tran Nguyen氏は次のように語っている。「コンピューティングに求められる要件はますます複雑になってきており、それらを担うハードウェアとソフトウェアの開発課題を克服してイノベーションを実現するためには、協業が欠くべからざる要素となっています。モバイル・グラフィックス、車載システム、5G、高性能コンピューティングなど、当社のプロセッサをベースにした大規模なソフトウェアを用いたアプリケーションの開発が増加しているため、エミュレーションとプロトタイピングに必要な実行キャパシティの要求もまた増大しています。シノプシス社のZeBu EP1システムは、キャパシティの柔軟性と最速の実行性能を兼ね備えた統合ハードウェア・システムであり、これまで以上に膨大な検証サイクルを実行しなければならないという要請に応えてくれるソリューションです」

 

NVIDIA社 ハードウェア・エンジニアリング担当副社長 Narendra Konda氏は次のように語っている。「シノプシス社は、ハードウェア・ベース検証ソリューション・ファミリーの技術革新の手を止めることがありません。エミュレーションとプロトタイピングのそれぞれに必要となるキャパシティを柔軟に提供できるZeBu EP1システムは、その一例です。当社は、GPU、AI、ADASといった高度なコンピューティング能力を必要とするシステムのイノベーションのペースを落とすことはできません。シノプシス社との長年に渡る協業によって、今日必要とされている、そして将来必要となるSoCハードウェア検証ならびに実機ベースのシステム検証を実行することが可能となるのです」

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940