新しいストリーミング・ファブリック・テクノロジが実現するリアルタイムのシリコン動作モニタリングによりエンドデバイスの信頼性が向上
2022年9月27日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 –シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、大規模化/複雑化が進むシリコンチップの動作モニタリングを可能にするリアルタイム解析により、電力消費を最小化しつつシリコン・データの収集とテストの実行にかかる期間を最大80%短縮する革新的なストリーミング・ファブリック・テクノロジを発表した。この新しいストリーミング・ファブリックは、シノプシスが提供している一貫性の高いシリコン・ライフサイクル・マネージメント・フローを構成するテスト容易化設計ツールのTestMAX® DFTによってチップ上に張り巡らされるネットワークで、異なるデザイン・ブロックやマルチダイ・システム間のシリコン・データの短時間でのやり取りを実現する。これにより、チップ全域に渡って変則的な或いは故障による誤動作が起きてないかどうかを効率的にテスト/解析する時間を大幅に削減できる。
Enfabrica社 CEO Rochan Sankar氏は次のように語っている。「当社は、超分散型コンピューティング・システムの心臓部をなす最先端シリコンチップを開発していますが、当社の品質目標を達成するためには先進のシリコン・ライフサイクル・マネージメント・テクノロジが不可欠です。シノプシス社が今回開発したストリーミング・ファブリック・テクノロジは、これまでの手法と比べてテストにかかる時間を劇的に短縮してくれました。この結果には非常に満足しています。今後も当社のシリコンテストに、このテクノロジを活用していきます」
Silicon Lifecycle Managementファミリーの詳細は下記より入手可能。
https://www.synopsys.com/solutions/silicon-lifecycle-management.html
TestMAXファミリーのストリーミング・ファブリック・テクノロジ詳細は下記より入手可能。
https://www.synopsys.com/implementation-and-signoff/test-automation.html
シリコン・データ収集時間の短縮により、テストコストを削減
シリコンの正常動作と使用可能期間を確実なものとするためには、プロセス/電圧/温度といった各種パラメータのデータに、チップ上やマルチダイ・システム間で継続的にアクセスし解析できなければならない。最先端プロセス・ノードで実現する大規模チップのデザインでは、開発者は、チップ上の各デザイン・ブロックの動作データに個別アクセスし、それぞれのブロックからもたらされる情報をチップレベルにピン接続するという分割管理(divide-and-conquer)手法を用いてきた。しかし従来型のデータ・ネットワークは柔軟性に欠けているため、テスト・プランニングに非常に時間を要する。一方、今回の新しいストリーミング・ファブリック・テクノロジは、多岐に渡るブロック動作スピードやデータ・インターフェイス・サイズに対応できるようプログラムされたプラグ&プレイ手法を用いているため、テスト・プランニングにかかる時間を最小限に抑えることができる。また、必要なネットワーク配線を最小化するため、小さなデータ・インターフェイスを用いてブロック接続の枝分かれをシンプル化することができる。これらの新機能により、ブロック間のデータ・アクセスがフィジカル設計にもたらす影響を抑え、最小限の工数で、データ・アクセスに必要な時間を最小限に抑制できるため、テストコストを削減することが可能となる。さらに、枝分かれのシンプル化によってフィジカル・デザインの増加も抑制できるため、開発者は、シノプシスのDigital Design Familyを用いてストリーミング・ファブリックを迅速に適用できる。
高精度な消費電力見積もりにより、データの信頼性を向上
テスト・プログラムも含め、稼働中のチップやマルチダイ・システムに組み込まれるデータによって、シリコンの消費電力が増加する事態を招くことは許されない。チップの一部にダメージを生じさせたり、チップが生み出す結果そのものが無価値になることにつながりかねないからである。シノプシスのテストパターン生成ルール TestMAX ATPGに組み込まれた新しい消費電力見積もり機能は、シノプシスのRTL to サインオフ・消費電力解析テクノロジ PrimePowerの解析結果を用いて、従来の手法と比べて、組み込まれたデータの実行時に消費される電力を正確に見積もることができる。これによりパワードロップを最小限に抑え、シリコンの不正動作やダメージを回避することが可能となる。
シノプシス ハードウェア・アナリティクス&テスト担当上級副社長 Amit Sanghaniは次のように述べている。「シリコンのライフサイクルを通じてデバイス動作の信頼性を維持するためには、生産性とコスト効率の高いシリコン・データ・アクセスが根本要件となります。ミッション・クリティカルなシステムで長期にわたる使用に耐えられるチップの実現には不可欠です。今回追加したストリーミング・ファブリックならびに消費電力の高精度見積もり機能は、当社のSilicon Lifecycle Managementファミリーを更に強化するものです。これによりお客様各社では、設計品質並びに開発期間の目標を達成しつつ、使用可能期間の目標も達成可能となります」
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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