ニュースリリース - 2017年4月21日

シノプシス、常時稼動のIoT機器向けにオーディオならびに高性能センサー機能を強化したARC Data Fusion Subsystemを提供

多数のセンサーを搭載したセキュアなSoC開発で求められる処理性能を実現するため 新たにオーディオ/音声/会話処理ならびにI3Cに対応したハードウェア/ソフトウェア・コンポーネントを追加

概要

  • 小面積/低消費電力のSoCを可能にする各種ARC® EM DSPプロセッサ(EM5D, EM7D, EM9D, EM11D)、密結合メモリー、ぺリフェラル、ハードウェア・アクセラレータなどを提供するARC Data Fusion IP Subsystem。
  • 高効率の制御機能と信号処理機能を提供するARC EM DSPプロセッサが、最小限の消費電力で常時稼動するIoT機能を実現。
  • オーディオ・ソフトウェア・ライブラリ、密結合したPDMならびにI2Sぺリフェラルにより、IoTデバイスの必須機能となっているオーディオ/音声インターフェイスの組込みが容易に。
  • AES、SHA、RSA/ECCといった暗号化アルゴリズムの実行を高速化するハードウェア拡張機能を搭載しているため、シリコン面積への悪影響を最小化。
  • MIPI I3Cオプションにより、今日のポータブル・デバイスに求められる高速動作のセンサー・インターフェイスの組み込みも可能。


2017年4月20日 カリフォルニア州マウンテンビュー発
 – シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、DesignWare® ARC Data Fusion IP Subsystemのエンハンスメント・バージョンを発表した。PDM(Pulse Density Modulation:パルス密度変調)、I2S、I3Cなどのぺリフェラル機能や、アプリケーション・ソフトウェアの開発を促進するソフトウェア・ライブラリが強化されている。このサブシステムは、最小限の消費電力で動作しなければならないデバイスへの組込みを前提に最適化が施された事前検証済みのハードウェアならびにソフトウェアIP製品である。これにより、ファー・フィールド音声認識インターフェイスやハンズフリー音声コマンドといった各種アプリケーションで必要となる音声/会話処理機能の実装が容易になる。また、MIPI I3C仕様準拠のコントローラにより、SoCに搭載された多数のセンサー間で大容量のデータ転送を実現できる。プロセッサは、ARC EM5D、EM7D、EM9D、EM11Dの中から選ぶことができ、センサーフュージョン、オーディオ再生、音声検知、会話認識機能を提供する超低消費電力IoT機器に必要な高効率のリアルタイム制御機能とDSPパフォーマンスを提供する。

Alango Technologies社 CEO  Dr. Alexander Goldinは次のように語っている。「IoTデバイスに搭載されるオーディオ/音声/会話処理機能の実行には、非常に小面積・低消費電力で優れた性能を発揮するDSPが必要になります。シノプシス社の低消費電力ARC Data Fusion IP Subsystemと当社の音声処理ソフトウェアをご使用いただくことにより、常時稼動アプリケーション向けSoCの開発者の皆様は、すぐに使える優れたソリューションを手にすることになります」

ARC Data Fusion IP Subsystemは、デジタル/アナログ・センサーから送られてくる情報を極めて低消費電力で処理し、ホスト・プロセッサの負荷を軽減する一方で、より効率の高いデータ処理を実現する。さまざまなコンフィギュレーションでサブシステムを構築することができ、低消費電力DSPプロセッサもARC EMシリーズの中から最適なものを選択して、フィルタリング、行列演算、複素演算といった典型的な信号処理の性能を、他のプロセッサと比べて2倍に向上させることができる。また、必要なクロック周波数とメモリーを最小限に抑えて、オーディオ・コーデックや音声/会話処理ソフトウェアを実行することができる。

さらにARC Data Fusion IP Subsystemは、ゲイン・コントロール、ミキサー、サンプルレート・コンバータといった一般的な機能のためのオーディオ処理ソフトウェア・ライブラリも提供している。PDMやI2Sなどのぺリフェラルもサブシステムに緊密に統合されているため、ファー・フィールド音声認識インターフェイスやハンズフリー音声コマンドに使われるMEMSマイクロフォンのような外部オーディオ・デバイスの統合も容易になる。PDMインターフェイスをハードウェア実装すると、ゲート数を最小限に抑えた上で、ソフトウェア実装の場合よりも消費電力を1/6に削減することができる。MIPI Camera Control Interface(CCI)、I2C、I3C仕様に準拠したMIPI I3Cマスター/スレーブ・ぺリフェラルもオプション提供しており、より高性能なセンサー・インターフェイスを実装することが可能である。これはSPI(Serial Peripheral Interface)と同等の性能を提供し、I2Cとの下位互換も維持している。このI3Cとサブシステムに含まれているソフトウェア・ドライバの組み合わせにより、モバイル・センサーの組込みが容易になり、ディスクリートで実装する場合よりも消費電力と面積を削減することが可能となる。

また、オプションのARC CryptoPackは、AES、SHA-256、RSA、ECCといった暗号化アルゴリズムの実行を高速化する特別なインストラクションを提供し、ソフトウェアのみでの実行に比べてパフォーマンスを7倍まで向上させることができる。また、ソフトウェア開発者は、シノプシスの embARC Open Software Platformを通じて多岐にわたるフリーもしくはオープンソースのソフトウェアをweb経由で入手できるため、サブシステム向けソフトウェア開発を迅速に進めることができる。

シノプシス マーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「音声認識機能を持つIoTデバイスの普及に伴い、SoC設計者は、高い処理性能と電力効率を維持しつつ、より多くのオーディオ関連機能を組み込む必要に迫られています。シリコン実証済みの最新DesignWare ARC Data Fusion IP Subsystemをご活用いただくことにより、多数のセンサーを搭載したIoT向けチップに各種の音声/会話処理機能を短期間で組み込むことができ、開発期間を短縮することができるようになります」

提供可能時期
IoTオーディオ機能ならびに高性能センサー機能を強化したARC Data Fusion IP Subsystemは、2017年5月の提供開始を予定している。


DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIP のリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP 群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IP に関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IP プロトタイピング・キット、IP 向けソフトウェアの開発キット、IP サブシステムを提供している。DesignWare IP は、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IP のSoC への統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。詳細情報はhttp://www.synopsys.com/designwareより入手可能。

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 
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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
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