ニュースリリース - 2017年9月15日

シノプシスとAlango Technologies、DesignWare ARC Data Fusion IP Subsystem用に最適化したVoice Enhancement Packageを提供開始

Alangoのファー・フィールド音声機能向上ソフトウェアとシノプシスのARC IP Subsystemの組み合わせにより音声制御機器で最適な低消費電力性能を実現

 

概要

  • 複数のマイクに対する音波志向性を高めるビームフォーミング・アレイならびに反響(エコー)除去機能を提供するAlangoのVoice Enhancement Package(VEP)により、音声制御のマルチメディア機器の音声認識性能が向上。

  • ARC® EM DSPプロセッサ、オーディオ・ソフトウェア・ライブラリ、サブシステムに密結合されたパルス密度変調機能やI2Sぺリフェラル機能などを統合したARC Data Fusion IP Subsystemが、超低消費電力での音声/オーディオ処理機能を実現。

  • バリデーション済みのAlango VEPとシノプシスARCベースSubsystemの組み合わせにより、低消費電力性能が求められるデザインの音声/会話処理機能の実装期間とリスクが低減。

     

2017年9月13日 カリフォルニア州マウンテンビューならびにイスラエルTIRAT CARMEL発 -  シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)ならびにAlango Technologiesは本日、シノプシスのDesignWare® ARC Data Fusion IP Subsystem向けに最適化したVoice Enhancement Package (VEP)ソフトウェアの提供開始を発表した。VEPは、音声制御機器の会話認識性能を向上させるリアルタイム・ソフトウェアDSP技術である。ARC Data Fusion IP Subsystemは、ハードウェアならびにソフトウェアIPを高度に統合したプロセッサ・サブシステムで、センサーやオーディオ・ソースからの入力データを最小限の消費電力で処理する。ARC Data Fusion IP Subsystem向けに最適化されたAlangoのオーディオ信号前処理ソフトウェアにより、設計者は、音声/会話処理を実現するバリデーション済みの完全なハードウェア/ソフトウェア・ソリューションを、最小限の消費電力での動作が要求される幅広いマルチメディア機器に短期間で実装することができる。 
 

Alango Technologies CEO Dr. Alexander Goldinは次のように語っている。「マン-マシン・インターフェイスの手段として音声起動/音声認識システムが普及するのに伴い、雑音の多い環境下でも高精度な音声認識を可能にする洗練された音声/雑音比向上テクノロジが必要とされています。ARC Data Fusion IP Subsystem向けに最適化した当社のVEPにより、SoC設計者の皆様は、優れた音声起動/認識/制御機能を実現できる理想的な低消費電力ソリューションをデザインに組み込むことができるようになりました」 
 

AlangoのVEPはファー・フィールド音声検知ならびに、(音声出力中の音声入力を可能にする)バージイン(barge-in)の応答能力を向上させるマルチ・マイクロフォン・ビームフォーミング・アレイならびにステレオ・エコー・キャンセラーを搭載したリアルタイム・ソフトウェアDSPテクノロジ・パッケージであり、自動音声認識(ASR:Automatic Speech Recognition)エンジンやキーワード認識(KWR:Key Word Recognition)エンジンに音声が到達する前に音声信号の前処理を実行するフロントエンド・ソリューションである。マイクからの音声信号を受け取り、余分な反響を除去し、使用環境や音声到達距離(フィールド)に応じて音響ビームを構築する。これにより、マイクから集音した生音声よりも信号/雑音比(SNR:Signal-to-Noise Ratio)を大幅に改善した音響ビームが、ASRエンジンに到達して音声として認識される。VEPが実行するこうした前処理によって、ASRの音声コマンド認識能力が飛躍的に向上する。 
 

ARC Data Fusion IP Subsystemは、超低消費電力で非常に効率の高いDSP処理を実現すべく最適化された事前検証済みハードウェア/ソフトウェア・ソリューションである。入力されたデジタル/アナログ・データの処理を実行してホスト・プロセッサの負荷を軽減する一方で、より効率の高いデータ処理を実現する。さまざまなコンフィギュレーションでサブシステムを構築することができ、DSPプロセッサもARC EMシリーズの中から最適なものを選択して、典型的な信号処理の性能を他のプロセッサと比べて2倍に向上させることができる。また、必要なクロック周波数とメモリーを最小限に抑えて、オーディオ・コーデックや音声/会話処理ソフトウェアを実行することができる。ARC Data Fusion IP Subsystemは、ゲイン・コントロール、ミキサー、サンプルレート・コンバージョンといった一般的な機能のためのオーディオ処理ライブラリも提供している。PDMやI2Sなどのぺリフェラルもサブシステムに緊密に統合されているため、ファー・フィールド音声認識インターフェイスやハンズフリー音声コマンドに使われるMEMSマイクロフォンのような音声/オーディオI/Oの統合も容易になる。また、PDMインターフェイスをハードウェア実装すると、ゲート数を最小限に抑えた上で、ソフトウェア実装の場合よりも消費電力を大幅に削減できる。ARC Data Fusion IP Subsystemは、センサー/音声/ジェスチャー/オーディオといったデータ処理機能を統合した、常時稼動アプリケーションに最適化された統合データ・フュージョン・ソリューションである。 
 

シノプシス マーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「最先端のIoTデバイスには、音声発生源を特定し混信を防ぐことで正確な音声認識を行うために、複数のマイクが搭載されるようになってきました。ARC Data Fusion IP SubsystemとAlango社のVEPの組み合わせにより、消費電力やチップ面積の制限を犠牲にすることなく、短期間で高品質な音声/会話機能を実装することができます」

 

提供可能時期

DesignWare ARC Data Fusion IP Subsystemは、シノプシスより既に提供を開始している。このサブシステムに最適化されたVoice Enhancement Packageは、Alango Technologiesより既に提供を開始している。 

詳細情報は、2017年9月26日にサンタクララ・マリオット・ホテルで開催されるARC Processor Summit 2017にて公開される。

 

Alango Technologiesについて

Alango Technologies Ltd.は、さまざまなアプリケーション向けにデジタル音声/オーディオ・エンハンスメント・フロントエンド・テクノロジを開発提供するリーディング・カンパニーである。Alangoの顧客企業は、広範囲に及ぶ製品分野にわたるさまざまな企業である。Alangoのテクノロジは、カー・インフォテイメント・システム、後付のカー・システム、カーナビゲーション、携帯電話、Bluetoothヘッドセット、ポータブル・スピーカー、補聴機器、音声会議システム、インターホン・システムなどに用いられている。

詳細情報は http://www.alango.com/より入手可能。

 

DesignWare IPについて

シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。

詳細情報は https://www.synopsys.com/designware より入手可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は https://www.synopsys.com/ja-jp より入手可能。

 

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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941