ニュースリリース - 2017年6月6日

シノプシスの設計/検証ツール群がARM Cortex-A75、Cortex-A55、Mali-G72コアの早期適用企業各社のテープアウトを実現

シノプシスの設計プラットフォームを用いて短期間での設計結果品質達成を支援する最適化済みQuickStart Implementation Kits
 

概要

  • ARM社の最新IP(マイクロプロセッサ ARM® Cortex®-A75ならびにCortex-A55、グラフィック・プロセッサ Mali™-G72)の早期適用企業各社が、Design Compiler® Graphical、IC Compiler™ II、PrimeTime®をはじめとするシノプシスの設計プラットフォームでテープアウトを達成。 

  • リファレンス・インプリメンテーション(フロアプランと最適化済みスクリプト)、リファレンス・ガイド、プロフェッショナル・サービスなどからなる新しいQuickStart Implementation Kits(QIKs)ならびにサービスにより、シノプシスの設計プラットフォームと、Cortex-A75、Cortex-A55、ARM Artisanスタンダードセル、メモリー、ARM POP™ IPを用いたSoC開発期間が加速。

  • ARM社の新しい高品質モバイル・プラットフォームの早期適用企業各社が、エミュレータ ZeBu®、フィジカル・プロトタイピング・システム HAPS®、バーチャル・プロトタイピング・ソリューション Virtualizer™、DynamIQ™ならびにARM AMBA®インターコネクトをサポートするVC VIP(検証用IP)から成るシノプシスのVerification Continuum™プラットフォームを用いて検証を達成。

 

2017年5月28日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、人工知能(AI)アプリケーション向けのARM社の最新IP(ARM DynamIQテクノロジ・ベースの初のマイクロプロセッサ ARM Cortex-A75ならびにCortex-A55、グラフィック・プロセッサ ARM Mali-G72)でのARM社との協業の成果を活用し、これらのIPの早期適用企業各社が、シノプシスの設計プラットフォームならびにVerification Continuumプラットフォームを用いて最先端FinFETプロセス・テクノロジでのテープアウトに成功したことを発表した。また、この協業成果であるQuickStart Implementation Kits(QIKs)により、設計者は、シノプシスの設計プラットフォームの最新機能を最大限活用でき、ARM Artisanスタンダードセル、メモリー、ARM POP IPを用いて最新ARMプロセッサを組み込んだSoCの性能/消費電力/面積(PPA:performance/power/area)目標を短期間で達成きる。

 

ARM社 コンピュート・プロダクツ・グループ ジェネラルマネージャー Nandan Nayampally氏は次のように語っている。「コンピューティングに求められる本質は変容しつつあり、エッジ・デバイスからクラウドまで効率的な処理能力を最適なバランスで提供できる分散型インテリジェンス(知性)システムを実現できるSoCが必要とされています。我々は、ARM DynamIQテクノロジ・ベースの初のCortex-AプロセッサとMali-G72のための設計ツール群に関して、シノプシス社と早い段階から協業を重ねてきました。これにより、お客様各社では、シノプシス社の設計/検証プラットフォームが提供する最新機能を活用して、より人間的で非常にクリック・レスポンスなユーザー体験を実現できるデバイスの実現に必要になるSoCのPPAを達成することが可能となります」

 

ARM社の最新プロセッサIPの早期適用企業各社が卓越したPPAを実現できるよう、シノプシスとARM社は、高性能プロセッサのCortex-A75と電力効率の高いCortex-A55のためのQIKsの開発で協業を重ねてきた。QIKsには、アービトレーションユニットのDynamIQ Shared Unit(DSU)も含まれており、ひとつのクラスタ内にこれまでよりも柔軟なCPU構成を構築でき、これまでに無いマルチコア・プロセッシング機能を実現することができる。各QIKは、リファレンス・インプリメンテーション(フロアプランと最適化済みスクリプト)とリファレンス・ガイドを提供しているため、下記のようなシノプシス設計プラットフォームの主要機能を最大限活用することができる。 

  • シノプシス・フィジカル・ガイダンス機能、プリ・クラスタリング(配置前の論理回路・自動クラスタリング)機能、オート・パスグループ(パスグループの自動生成・最適化)機能、Design Compiler Graphical - IC Compiler IIフローでのチューニング機能。
  • Design Compiler Graphicalのレイヤ・プロモーション(タイミング・クリティカルなネットを抵抗値が低い上位層にアサイン)機能による設計早期段階でのネット最適化。
  • ランタイムへの影響を最小限に抑えつつタイミング/消費電力/面積のトレードオフを実行できる新しいソルバー・ベースのマルチ・オブジェクティブ・エンジンにより、IC Compiler II環境内でクロック・データ同時最適化を実行。
  • 設計フローを通じてパラメトリック・オンチップ・バリエーション解析を行いつつPrimeTimeによるタイミング・サインオフを実行でき、超低電圧デザインを実現。
  • 設計フローを通じてマルチモード・マルチコーナー解析を実行。

 

また早期適用企業各社は、下記のようなシノプシスVerification Continuumプラットフォームの主要機能を最大限活用して検証を実行した。

  • ARMプロセッサ向けのシノプシス Virtualizer Development Kit(VDK)ファミリー。Cortex-A75ならびにCortex-A55のARM Fast Modelもサポート。

  • Cortex-A75、Cortex-A55、Mali-G72に対応したエミュレータ ZeBuならびにフィジカル・プロトタイピング・システム HAPS。

  • ARM AMBAインターコネクトのVC VIP(検証用IP)がARM CoreLink™ CMN-600ならびにDMC-620コアをサポート。システムレベル・テスト・スイート、システム・モニタ、プロトコル考慮のデバッグ機能、性能測定機能も提供。

 

シノプシスの設計コンサルタントには、これまで、数百社以上の企業にARMベース・デザインの設計支援を提供してきた実績がある。設計者が、新しいARMプロセッサのメリット最大限活用し、目標とするPPAを最短期間で達成できるよう、シノプシスでは、4-week QuickStart Implementationサービスからコア最適化支援、フル・ターンキー・コア・ハードニングに至るまでさまざまなエキスパート・デザイン・サービスを提供している。

 

シノプシス デザイン・グループ 主席上級副社長 兼 共同ジェネラルマネージャー Deirdre Hanfordは次のように述べている。「ARM社とは20年以上にわたって協業を続けており、同社の新しいプロセッサがリリースされるたびに最適化済み設計/検証ソリューションをご提供して、お客様各社の設計成功に貢献してまいりました。今回のCortex-A75、Cortex-A55、Mali-G72での協業により、お客様各社は、当社の設計プラットフォームとVerification Continuumプラットフォームのツール群が提供する革新的で他に類を見ない機能を最大限活用し、業界最高水準のPPAで高品質なARMベース・デザインを実現することができます」

 

提供開始時期ならびに関連情報

シノプシスの顧客企業は、DSU も含めたCortex-A75ならびにCortex-A55のQIKs、リファレンス・インプリメンテーションをhttp://solvnet.synopsys.com/arm-riよりダウンロードできる。2017年年6月中旬を予定している。

Cortex-A75ならびにCortex-A55のARM Fast Modelのサポートも含むARMプロセッサ向けVirtualizer Development Kitファミリーは、既に提供を開始している。

Cortex-A75、Cortex-A55、Mali-G72に対応したエミュレータ ZeBuならびにフィジカル・プロトタイピング・システム HAPSは、既に提供を開始している。

ARM AMBA 5(CoreLink CMN-600ならびにDMC-620含む)のVC VIPは、既に提供を開始している。

シノプシスは、ARMプロセッサ・ベース・デザインの設計目標達成を支援するために経験豊富なエキスパート・プロフェッショナル・サービスを提供しており、Cortex-A55の新しいQuickStart Implementationサービスは、既に提供を開始している。

 

詳細情報は、テキサス州オースチンで開催されるDesign Automation Conference(DAC)にて2017年6月19日(月)に催されるブレックファスト・セッション “Designing with Leading-Edge Process Technology, CPU Cores and Tools”で紹介される。

https://www.synopsys.com/company/resources/events/dac2017/events/arm.html.より参加登録可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

 

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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941