ニュースリリース - 2015年6月9日

シノプシスとTSMC、TSMC 40nm Ultra-Low-PowerプロセスでのIoT機器開発のための統合プラットフォームの開発で協業

ハードウェアならびにソフトウェア・ソリューションで構成する 消費電力効率の高いDesignWare IoT プラットフォームが、IoT 機器向けSoC の開発期間を短縮

概要

  • ARC EM5Dプロセッサ・ベースの事前検証済みセンサーIP サブシステムならびにコントロールIP サブシステム、ロジック・ライブラリ、メモリー・コンパイラ、NVM、MIPI、USB、ADC を提供するプラットフォーム
  • 厚膜酸化ロジック・ライブラリと低電圧メモリーにより、リーク電流を最小化
  • ハードウェア・アクセラレータとバスレス・アーキテクチャにより、センサー・フュージョンや音声認識などの常時稼動アプリケーションに欠かせない小面積や低サイクル数を実現
  • 無償オープンソースのドライバ、オペレーティング・システム、ミドルウェアへのオンライン・アクセス環境であるembARC Open Software Platform が、ARC プロセッサ向けのソフトウェア開発を支援


2015年6月8日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、TSMC 40nm Ultra-Low-Power(ULP)プロセス・テクノロジでのInternet of Things(IoT)機器開発のための統合プラットフォームの開発でTSMC社と協業していることを発表した。このIoT 開発プラットフォームは、さまざまなDesignWare IP で構成されている。超低消費電力のARC EM5D プロセッサ・コアを組み込んだセンサーIP サブシステムならびにコントロールIP サブシステム、消費電力と面積が最適化されたロジック・ライブラリ、メモリー・コンパイラ、NVM/MIPI/USB などのインターフェイス、アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)などである。この高性能・低消費電力IoT開発プラットフォームは、センサー・フュージョンや音声認識などの低消費電力・常時稼動アプリケーションの開発に欠かせない事前検証済みのソリューションを提供する。

複数のセンサーが捕えた情報を把握し、それらに基づいて何らかの“スマート”な処理を実行し、処理結果をクラウドに配信する能力が、IoT アプリケーション、特にウェアラブル機器やマシン to マシン・システムの技術革新の鍵を握っている。シノプシスは、以下に挙げるような、IoT 向けSoC に不可欠な要素を実現するためのさまざまな機能をDesignWare IP を通じて提供している。

  • システム・レイテンシを低く抑えつつ面積と消費電力を削減する、ハードウェア/ソフトウェア・ソリューションで構成するセンサーIP サブシステムならびにコントロールIP サブシステム。バスレス・アーキテクチャと省面積のハードウェア・アクセラレータにより、サイクル数を大幅に削減
  • 多岐にわたるRISC/DSP 命令セットとカスタマイズ可能なハードウェア拡張機能を備えた低消費電力のARC EM5D プロセッサ・コア
  • 充電ならびにパワーダウン機能を備えたシリコン実証済みUSB を始めとする小面積のインターフェイスIP
  • 面積と消費電力を最小化する消費電力最適化キットとマルチ・フリップフロップ搭載・超高密度ロジック・ライブラリ
  • 厚膜酸化ロジック・ライブラリにより、常時稼動アプリケーションのリーク電流を削減
  • 最小サイズのTSMC ビット・セルとエンベデッド・フラッシュをサポートするテスト/リペア機能を組み込んだ高密度・低電圧メモリー・コンパイラ


シノプシスが提供するembARC Open Software Platform によりARC プロセッサ向けソフトウェアの開発者は、多岐に渡る無償オープンソース・ソフトウェアにオンライン・アクセスが可能となり、IoT やその他の組込みアプリケーションのコード開発の負担を軽減できる。MQTT やCoAP などのインターネット・プロトコル、FreeRTOS やContiki OS などのオペレーティング・システムなど、IoT アプリケーションで一般的に用いられているソフトウェア・コンポーネントなども含まれる。

TSMC 社 デザイン・インフラストラクチャ・マーケティング シニア・ディレクタ Suk Lee氏は次のように語っている。「当社は、シノプシス社との長年にわたる協業を通じ、両社共通のお客様各社のターゲット・アプリケーションに最適なさまざまなタイプのTSMC プロセス・テクノロジに対応した高品質なIP を多岐にわたってご利用いただけるようにしてまいりました。今回のIoT 開発プラットフォームにより、設計者の皆様は、TSMC 40nm ULPプロセスのメリットを活用し、短期間で量産体勢に移行して、急速に拡大するIoTマーケットに迅速に製品投入を行うことが可能となります」

シノプシス IP & プロトタイピング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「当社は、電力効率の高いIoT 向けチップをターゲットにしたTSMC 40nm ULPプロセス向けに、当社の幅広いIP群を最適化いたしました。当社とTSMC社とのIoT 開発プラットフォームの協業により、設計者の皆様は、この激変するマーケットに向けた開発プロジェクトの期間を短縮しつつ、非常に厳しい消費電力/開発コストの目標を達成することが可能となります」

関連情報
DesignWare IP solutions for the IoT についての詳細な情報は、www.synopsys.com/ip-iot より入手可能。embARC Open Software Platform についての詳細な情報は、www.embarc.org より入手可能。

DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIP のリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP 群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、デジタル・コントローラIP/PHY/次世代検証用IPからなる完全なインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IP に関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Accelerated イニシャティブは、IP プロトタイピング・キット、IP 向けソフトウェアの開発キット、IP サブシステムを提供している。DesignWare IP は、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IP のSoC への統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。詳細情報はhttp://www.synopsys.com/designware より入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・テストの分野でもCoverityソリューションで業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。