ニュースリリース - 2015年5月27日

シノプシス、ルネサスのRH850 向けVirtualizer Development Kit を拡充 RH850/P1x シリーズをサポート

ルネサス社製マイコンを用いたシャーシECU のソフトウェア開発、システム統合、テストを短期化する Virtualizer Development Kit

概要

  • F1x、C1x、E1xシリーズの仮想プロトタイプ開発をベースに、ルネサス RH850 マイコンのVDK 向けにRH850/P1xシリーズの仮想プロトタイプの提供を開始
  • 仮想プロトタイプをターゲット・システムとして活用するソフトウェア開発キットであるルネサス RH850 マイコンVDK により、ECU製品の品質/信頼性が向上し開発コストを削減
  • パワーステアリング、スタビリティ・コントロール・システム、アンチロック・ブレーキ・システムなどのシャーシ系制御機構の開発を支援するため、カスタマイズによりP1x-C などのあらゆるRH850/P1xシリーズ派生品に対応
  • Tier 1 ならびにOEM 企業によるRH850 マイコン仮想プロトタイプ活用を支援し続けるルネサス/シノプシス両社の協業プログラム Center of Excellence


2015年5月26日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ルネサス RH850 マイコンのVirtualizer Development Kit(VDK)ポートフォリオを拡充し、シャーシECU(Electronic Control Unit)向けの新しいマイコンRH850/P1xシリーズの仮想プロトタイプの提供を開始したことを発表した。この最新仮想プロトタイプは、F1x、C1x、E1xシリーズの仮想プロトタイプを搭載したルネサス RH850 マイコンVDK をベースに開発されている。RH850 マイコンVDK は、仮想プロトタイプをターゲット・システムとして活用するソフトウェア開発キットで、これにより車載システム開発者は、実際のハードウェアやテストベンチが使用可能になる数ヶ月前の段階からソフトウェア開発、システム統合、テストを開始できるようになるため、製品品質を向上し開発コストを削減できる。RH850/P1x の仮想プロトタイプは、ルネサス/シノプシス両社のエンジニアが共同で仮想モデルとRH850 マイコンVDK を開発する協業プログラムであるCenter of Excellence の成果である。

ルネサス エレクトロニクス株式会社 第一ソリューション事業本部 車載制御第一事業部 車載技術戦略部長 矢田直樹氏は次のように語っている。「優れた拡張性、性能、信頼性を誇る当社のRH850/P1xシリーズは、シャーシ系制御機構の開発にとって理想的なマイコンです。シャーシ系制御ソフトウェアのボリュームと複雑性は増大しています。当社のお客様各社は、当社とシノプシス社のCenter of Excellence プログラムの成果をご活用いただくことによって、優れたプロバイダから提供される仮想プロトタイピング・ソリューションにいち早くアクセスできるため、ソフトウェア開発、システム統合、テストにかかる期間を短縮し、より信頼性の高い製品をより短期間で開発できるようになります」

RH850 向けソフトウェアのデバッグ/解析ツールとなるVDK は、シノプシスのSaber、Mathworks 社のSimulink、Vector 社のCANoe などとも連係動作できるため、仮想Hardware-in-the-Loop 環境でシステムの統合とテストを実行できる。この協調ソリューションにより、システム統合と機能安全テスト(ISO26262)を短期間で実施し、ECU とソフトウェアの品質を向上させることができる。RH850/P1x VDK は、RH850/P1x あるいはP1x-C マイコンのあらゆる派生品に対応するため、シノプシスのVirtualizer を活用してカスタマイズすることができる。またカスタマイズの期間短縮のため、シノプシスのエキスパート・エンジニアによる仮想プロトタイピング・サービス の支援を受けることもできる。

シノプシス IP&プロトタイピング・マーケティング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「パワーステアリング、スタビリティ・システム、ブレーキ・システムなどのシャーシ系やセーフティ系の制御機構は、複雑化する組込みソフトウェアの存在抜きでは実現できず、機能安全規格のISO26262 にも準拠していなければなりません。RH850/P1x シリーズのサポートでRH850 マイコンVDK ポートフォリオを拡充することにより、Tier 1 ならびにOEM 企業各社は、こうした制御機構システムの故障テストやカバレッジ解析も含めたソフトウェア・テストを、より早期に、より短期間で、より広範囲に実施できるようになります」

提供可能時期ならびに関連情報
RH850/P1x 仮想プロトタイプ・サポートも含めたルネサス RH850 マイコンVDK は、シノプシスより既に提供を開始している。


シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・テストの分野でもCoverityソリューションで業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
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