Tier 1 ならびにOEM 企業によるRH850 マイコン向けソフトウェアの早期開発/品質向上を可能にするVirtualizer Development Kit(VDK)
概要
2015年2月12日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス社)製車載マイコン RH850ファミリ向けVirtualizer Development Kit を拡張し、Ethernet AVB ならびにCAN-FD モデルをVDK に追加したと発表した。シノプシスのRH850 VDK は、ルネサス社のRH850 のバーチャル・プロトタイプとソフトウェア・デバッグ/解析ツールを組み込んだソフトウェア開発キットである。RH850 をベースにした電子制御ユニット(ECU)を開発しているエンジニアは、このVDK を活用することによって、実際のECUハードウェアが入手可能になる数ヶ月前の段階から、ソフトウェアの開発、システム統合、テストを実施できるようになるため、製品品質が向上し、開発コストを削減することができる。Ethernet AVB ならびにCAN-FD モデルは、ルネサス社とシノプシスのエンジニアが協力してルネサス・マイコンに特化したVDK を開発することを目的に設立した協業プログラム Center of Excellence の成果である。
ルネサス社の第一ソリューション事業本部 車載制御第一事業部 車載技術戦略部 部長 矢田直樹氏は次のように語っている。「車載ネットワーク・システムには、これまで以上に大きなデータ伝送容量が必要とされており、Tier 1 様やOEM 様各社では、Ethernet AVB やCAN-FD などのネットワーク・テクノロジの採用に迫られています。シノプシス社は、最先端のネットワーク技術を搭載した車載システムを開発している設計者の皆様に、Center of Excellenceを通じて開発した完全なバーチャル・プロトタイピング・ソリューションを提供しています」
市場調査会社 Frost & Sullivan 社が、2013年12月に発表した報告 “Strategic Outlook of Automotive Ethernet Technology in Europe and North America”では、上級車種に搭載されるイーサネット接続機器の数は2020年には100を超えると予想されている。Ethernet AVB は、イーサネット接続で音声や動画の高速ストリーミングを可能にするためにIEEE 規格である。RH850/F1H VDK には、ルネサス社のEthernet AVB IP のモデルが組み込まれている。
CAN は、複数のECUを接続するためのマルチマスター・シリアルバス規格である。CAN-FD は、CAN のデータ転送レートを8M ビット/秒に拡張している。シノプシスが提供するルネサス CAN-FD IP モデルは、あらゆるRH850 VDK に統合できる。また、Vector 社のCANoeやその他のバス・シミュレーション・ツールとも連係動作できるため、実機環境と比べてより多くのデバッグ/解析機能を提供する仮想環境で開発を進めることができる。
シノプシス IP&システム・マーケティング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「先進の自動車では、車載機器間の通信システムが多く搭載されるようになっています。Tier 1 企業やOEM 企業各社では、こうした技術トレンドに対応するために最新のネットワーク規格を実装する必要に迫られています。Center of Excellence を通じて開発したルネサス Ethernet AVB/CAN-FD IP 搭載VDK をご活用いただくことにより、開発者の皆様は、RH850 マイコン・ベースの車載システム・ソフトウェアの開発を開発サイクルの早い段階から開始でき、製品品質の向上を実現することが可能となります」
提供可能時期
ルネサス製RH850 マイコンのVDK ならびにVirtualizer ツールセットは、シノプシスより既に提供を開始している。
ノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード:SNPS) は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化 (EDA) ならびに設計資産 (IP) のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。
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