Platform Designerが高性能なカスタム・プロセッサの開発を自動化
要旨
2011年3月7日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、横河電機株式会社(以下、横河電機)がシノプシスのProcessor Designerを用いて、ラダープログラムを超高速で実行できる最新プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC) FA-M3Vを開発したと発表した。また横河電機は、Processor Designerによって、設計・検証にかかる期間を大幅に短縮することにも成功した。Processor Designerは、Cコンパイラ、アセンブラ/リンカ、デバッガ、命令セット・シミュレータと言ったソフトウェア開発ツールも自動生成し、プロセッサが完成する前段階でソフトウェア開発を行うことができるためである。
横河電機株式会社 IA事業部 システム事業センター PLC技術部 4グループ長 岡本弘文氏は次のように語っている。「当社の新しいPLCであるFA-M3Vは、ラダープログラム実行に向けてカスタマイズした当社のVitesse Engine最新版によって、これまでにない高速動作を実現しました。Processor Designerを活用することにより、当社が当初想定していた開発期間や工数を大幅に削減しつつ、超高性能なプロセッサの開発を成し遂げることができたのです」
横河電機は、Processor Designerのプロファイリング機能を活用してプロセッサのアーキテクチャを追求・最適化し、プロセッサ性能と開発期間短縮の両面で大きな改善を実現した。この最適化工程で、横河電機は、ラダープログラムの実行スピード目標としていた「1命令あたり3.75ナノ秒」を達成した。これは従来の機種と比べて5倍早い性能である。また横河電機は、LISA言語で記述したプロセッサ仕様を最適化し、そこからRTLを自動生成することにより、消費電力、ゲート数、システム開発にかかる全体的な期間を削減してテープアウトを達成した。
Processor Designerを使用すると、単一の抽象度の高い仕様から各種ソフトウェア開発ツールやRTL、命令セット・シミュレータなどを自動生成できるため、特定用途向けプロセッサ(ASIP)やプログラマブル・アクセラレータの開発期間を劇的に短縮できる。こういったプロセッサやアクセラレータは、多くの機能を1チップのSoC上に全て統合していくという市場の要請に応えるため、ますます開発ニーズが高まっている。Processor Designerは、SIMDプロセッサやVLIWプロセッサはもとより、DSPやRISCアーキテクチャを持つハードウェアといった様々なプロセッサの開発に幅広く活用されている。
シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。
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