ニュースリリース - 2010年3月24日

ルネサス テクノロジ、28nm開発にシノプシスのOPCソリューション Proteusを採用

Proteusが、OPC処理実行時間や所有運用コストを抑えつつ最良の補正精度を実現

2010年3月23日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、株式会社ルネサス テクノロジ(以下、ルネサス)が、28nm開発にシノプシスの光近接効果補正(OPC)ソリューション Proteusを採用したと発表した。28nmに達する微細化により、光リソグラフィーによる一回の露光でマスク転写を行う手法は限界に近づいているが、ルネサスでは、Proteusの採用により、さまざまなプロセス条件への耐性を高めつつ、同社の厳格なOPC精度基準を達成することができた。Proteusを使用することで、その最先端のField baseシミュレータ、使用するCPUリソースの数に応じて処理速度が直線的に向上するOPCエンジン、コンパクト・フィジカル・モデルにより、業界で抜きん出た高い精度/実行速度/性能そして低い所有運用コストのOPC処理を、一般的に使われているハードウェア・プラットフォーム上で実現できる。

株式会社ルネサス テクノロジ 設計開発本部 DFM・ディジタルEDA技術開発部 部長 杉原仁氏は次のように語っている。「28nmという高度に微細化されたテクノロジ・ノードでは、プロセス・ウィンドウを考慮した高精度なOPCが重要となります。また、所有運用コストの最小化も重要な判断基準です。Proteusのコンパクト・フィジカル・モデル、豊富なOPC機能ライブラリを使って行うレシピのカスタマイズ、CPU数に応じて処理速度が直線的に向上するOPCエンジンを活用することにより、短い開発期間での開発目標達成が可能になります」

Proteusは、業界標準のx86アーキテクチャ向けにリソグラフィー・シミュレーション・エンジンを最適化しているため、ユーザーは、所有運用コストを最小限に抑えつつ処理時間を削減することができる。専用ハードウェアを用いたOPCソリューションとは異なり、Proteusは、世代交代ごとに1.6倍に高速化するx86 CPUの性能向上に合わせて処理速度を上げることができるのである。こうしたCPU性能進化とシミュレーション・アルゴリズム改善の組み合わせにより、Proteusの処理性能は過去3年間で12倍に向上している。

シノプシス シリコン・エンジニアリング・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Howard Koは、次のように述べている。「ルネサス様が45nmに続いて28nm OPCフローでもProteusを用いて成功を収められたという事実は、Proteusが、高い精度と高速な実行時間のベスト・コンビネーションを持つOPCソリューションをお客様各社にご提供できるということの何よりの証明です。ルネサス様のような業界のリーディング・カンパニーとの協業があるからこそ、当社は業界で最も進んだソリューションをご提供することができるのです。ルネサス様との協業を今後も楽しみにしています」

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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