ねじれネマティック(TN)液晶構造は、薄い層でアクロマティックな偏光回転を実現することができ、ディスプレイ、変調器、スイッチなど多くの光応用分野で重要な役割を担っています。2つの偏光板の間にあるTNセルの光学特性は、理論的に解析と共に、実験的にも測定されています[1]。
この事例では,一般的な例として,図1に示すような90°TNセルの透過率をセルの厚さの関数として解析しています。
Figure 1: Illustration of Twisted Nematic (TN) cell.
このTN液晶構造を定義するために、以下の屈折率テンソルを持つベースとなる異方性TN材料を利用します。
RSoft CAD Environment™で描かれたTNセルを図2に示します。
図2:TNセル
この構造は3つのセグメントからなり、すべてのセグメントは同じベースとなるTN異方性材料を使って定義されています。この材料の結晶軸はZ 軸の周りに回転、TN 構造を生成し、セグメント間でマッチングさせることにより均一な材料になるように設定しています。各セグメントの結晶軸は、以下のようにZ軸(Psi)周りに回転しています。
光源は波長0.6328μmのTE平面波である。評価としてはTNセグメントを通過後のTE成分の透過パワーを測定します。これは中間のねじれセグメントの端でExフィールドを測定するモニタとパワーを計算するRSoftのMOST™のMetricsを使用することで実現できます。
FullWAVEとMOSTを用いて、TE平面波電界の入射パワーに対する透過率をデバイスの長さの関数として評価しています。
図3:計算された透過率 vs TNセル長
透過率 vs モーガンパラメータ u = πLΔn/(λθ) のプロットを得るために、図 3 の X 軸をスケールを変更すると、図 4 のようなプロットが得られます。これらのグラフから、1st モーガン条件と2nd モーガン条件、またシミュレーションと理論解析の一致を明確に確認することができます。
図4: 透過率 vs Mauguin モーガンパラメータ u (青)のプロット
また、参考文献1の式1を用いて計算した透過率の予測値(緑)も示している
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[1] Golovin et al, Achromatic Linear Polarization Switch for Visible and Near Infrared Radiation Based on Dual-Frequency Twisted Nematic Cell, Proc. of SPIE Vol.6135,61350E (2006)