光学技術における最先端のイノベーションであるメタレンズは、通常の湾曲したレンズではありません。
メタレンズは光を集光させるメタサーフェスを使用した平らなレンズです。
メタレンズは、その形状と表面により従来の曲面レンズとは異なります。一般的にカメラのような曲面レンズの組み合わせは、センサーや目などの受光器に向かう光を操作するために使用されます。様々な像の収差を補正するために、通常は複数のレンズが必要です。しかし、レンズのスタックはスペースを取るため、スマートフォンカメラやAR/VRシステムのようなコンパクトなシステムでは考慮が必要です。
a) 一般的な曲面レンズの光線追跡
b) メタレンズの光線追跡
メタレンズは通常、メタアトムと呼ばれる数百万のサブ波長ユニットから構成され、メタサーフェス全体に渡って局所的かつコヒーレントに光を変調します。各メタアトムの形状やサイズは、メタレンズの全体的な性能に基づいて局所的に決定されます。
サブ波長のナノ原子は光の位相を遅らせることができ、表面に適切に配置されれば、メタレンズは古典的な曲面レンズと同じ所望の位相プロファイルを作り出すことができます。さらに、パターン化されたレイアウトは、リソグラフィ技術で大量生産できます。
メタレンズは、次世代のコンパクトイメージング、センシング、ディスプレイアプリケーションを可能にする重要な技術になり得ます。メタレンズには、単一の光学部品で非常に複雑な波面光学を実行できるという利点もあり、さまざまなアプリケーションにとって非常に有用です。
メタレンズの物理的特性(薄い/平ら/軽量)は、特にスペースと重量が懸念される場合に非常に有効です。メタレンズは、曲面レンズを薄くて平らな面に置き換え、従来のレンズよりも光学的な安定性と集光品質を向上させることで、最も重要な光学製品の最小化に役立つ可能性を秘めています※1。
メタレンズは製造が容易で、コスト効率が高く、他の技術との組み合わせた利用に適しています。さらに、偏光などの優れた光の操作性により、メタレンズは光学設計のイメージを高め、新たな可能性を切り開く可能性があります。
参照
※1:Electro-Optics article: https://www.electrooptics.com/viewpoint/automation-new-approach-metalens-design
シノプシスは、メタレンズの設計/シミュレーション/製造を正確かつ効率的に行うための業界をリードするツールおよびソリューションを提供し、新しいイノベーションの世界をサポートしています。
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これにより、マスク製造やエッチングなどの課題を乗り越え、革新的で実用的な設計を実現します。
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